シュトルムの話の続きです。
「森の精トルーデ」。日照りが続く町で、森の精に雨を降らせてもらうようお願いしにいく男女の話。ハリポタみたいなファンタジーではあるんだけど、男女の恋愛と周りの人物達の思惑が絡んできて、単なるファンタジーに終わってなくて面白かった。「太陽が燃えている」とイエローモンキーの曲のような一節が出てきたのがイエローモンキーファンにはたまらない。
「リンゴが熟したとき」。リンゴ泥棒の少年と若者のやりとりが面白いショートショート。
「人形使いのポーレ」。「みずうみ」と同じく少年時代の恋の話が中心だが、ストーリーはみずうみと異なる。シュトルムは何冊か読んでいたが、この話は初めて読んだかも。少年少女が大人になり、そこからの展開がよかった。今回この話に出会えてよかった。大人の俺はそう思う。
小説は心を豊かにし、人生を豊かにしてくれる。
思い出はボダイジュと共にあり、景色と共にあることを思い出させてくれる。なんでもないあの木も誰かにとってはシュトルムのボダイジュなんだよな。