妄想スクラップブック

音楽家、そして青春ウォッチャー。妄想、想像、堂々、ロックンロール。90年代のUKロックが好きです(オアシス、ブラー、コーナーショップなどなど)。スピッツもUKロックです。

恋が終わっても人生は続く (シュトルムで小説の面白さを再発見)

シュトルム ショートセレクション「みずうみ」を読んだ。昔好きだった作家で、岩波文庫で「大学時代」とか読んだ記憶がある。子供と図書館に久しぶりに行ってぶらぶらしてたら見つけたので懐かしさもあり借りてしまった。

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この本には「みずうみ」「森の精トルーデ」「リンゴが熟したとき」「人形使いのポーレ」の4編の話が収められていて、シュトルム入門編としてぴったりだと思う。

 

シュトルムは、少年時代の恋の話を書かせたら上手い、というか切実だし、胸にグッとくる。

 

「みずうみ」は、木綿のハンカチーフ的な話。将来は一緒になろうと話していた少年少女が、少年の進学で離ればなれになり、2年経って彼女の状況に変化がおこる。作中の言葉「あなたの年頃には、一年一年がちがうものです。青春には次々となにかが起きるものです」。失われたものを2人が見つめる場面が切なかった。出てくる詩も効果的で、こんな話、俺も書きたいと思うし、誰もがもつ青春の終わり、それをみずみずしく描いた素敵な小説です。

 

シュトルムの話、続きます。夏の夜の吐息