なんで今、心のままに文章が書けるのだろうと考えてみたら、「三島由紀夫レター教室」を読んでいるせいかもしれない、というところに行き着きました。
5人の登場人物の手紙が入れ替わりで文例として掲載される、という体裁をとっているのですが、ある人からある人へ好意を伝えてみたり、ある人からある人へ恨み辛みを伝えてみたり、といった感じで文例同士でコミュニケーションが発生していて繋がりがあるもんだから、連作ドラマみたいで面白んです。あのー、ドラマの「カルテット」好きな人なら絶対好きだと思います(僕も好きなので)。
僕がブログで書いた北向さんは、まさにこの本の空ミツ子にぴったりではないかと!!
mizuiro-no-marr.hatenablog.com
登場人物の一人が、女性の胸の見方についてこう書いています。
私も商売柄、ニセモノの胸には絶対だまされないだけの修練は積んでいます。
それは胸のすぐ上の部分と、肩と腕のつき具合を見ればわかるのですよ。
これ読んだ後に北向さんの写真見ちゃったもんだから、どうしたってそういう見方しちゃいますよねぇー・・・
ちなみに、空ミツ子の胸を評してこんな言い方をしています。
あなたの胸は、ふくれて、口をとんがらかして、「何よ」と言っているみたいな形で、かわいいこと、この上なしだ。胸が謙虚にうなだれていては困るのです。 三島由紀夫レター教室 (ちくま文庫)
この手紙を、空ミツ子は恋人に読ませつつ、それでもこの手紙は捨てられない、と自分に言っています。なぜ?
三十年たち、四十年たって、自分の若い頃の魅力的な姿を思い出すには、やっぱりどんなよく撮れた写真よりも、他人の言葉のほうがリアリティがあるに違いないから
こんな面白いやりとりがわんさか含まれています。
僕が買った文庫版にはオザケンのエッセイが掲載されていて(これ目当てで買いました)、手紙愛溢れる素敵な文章でとってもよかったです。
手紙は100mの爆走
また今日も続きを読みます。
この本を読んで、手紙を書こう!

- 作者:三島 由紀夫
- 発売日: 1991/12/04
- メディア: 文庫